横浜:吉村家
2006.08.28(01:13)
系じゃなくて家そのもの
ホワイトプルメリアさんのブログを見てたら
久しぶりに吉村家に行きたくなり、
更に丁度良いことに横浜に用事ができたので
?年ぶりに吉村家に行ってきました。
(新杉田駅から横浜駅に移ってからは初めて)
僕にとってこの店は思い出の店、青春の味といったところ。
高校生の時に根岸線の車内から
ラーメン吉村家と書かれたバラックのような建物に
並ぶ行列を見ていつも不思議に思ってた。
あの店は一体なんなんだろう?
当時は確か朝6時位から営業していた。
朝っぱらから、トラックの運ちゃんたちがラーメンを食ってる。
行きたい!でも怪しい!
大体ヨシムラケってなに?人の家?
指のマークがあったら葬式だぞ?
当時は横浜のラーメンといえばサンマー麺が筆頭という時代。
でも、あの店は絶対そういうものを出す店じゃない。
もうこれは直感である。
そして興味を持ったら先っちょから突っ走るのが青春。
遂に意を決して友達と「ヨシムラケ」に土曜の午後に挑戦したのである。
制服で行列に並ぶ。店の様子を眺めると、
空いた席から座るのではなく、完全入れ替え制のシステムにまず驚く。
友達が早くも「俺食べるの遅いよ〜」と不安を漏らす。
「そんなの気にするなって!」まだ余裕の僕。
そんな僕の余裕もメニューを見て瓦解する。
「ラーメン:時価」
えええええええええええ!
時価である。
時価、時価、時価・・じか、ジカ。
時はバブルの真っ只中。
深夜、六本木カローラと呼ばれたBMW(ベンベ)に乗った証券マンが
ついさっきまでジュリアナのお立ち台で踊ってた
ワンレンボディコンのイケイケギャルを連れてメニューのない寿司屋に入る・・・
それが僕の当時の時価のイメージ。
一方、当時の僕たち高校生のアルバイトの時給が650円。
そんな寿司屋でカッパ巻食べたら、後はガリしか食えん。
やばい、これはやばい。
でももう並んでしまってる。次回が僕たちが店に入る番だ。
しかも店員のオバちゃんが、まだ店に入ってないのに
行列から注文を聞き始めている。
「注文は?」
「ラーメンで」
「普通盛りでいいの?」
「は、はい!!」
時価のラーメンを大盛りにしたら
一体どんなことになってしまうんだ?
友達と小声で
「今日いくら持ってる?」
「2000円くらい」
「俺もそんくらい」
その会話を交わした後、3秒ほど友達と目を合わせたが
その目はお互いにこう語っていたと思う。
「いざって時は一緒に皿を洗おうな!」
無言でうなずく2人。

席に着くと、店長らしきオヤジの活気ある声が響きわたってる。
その活気に圧倒されるが、頭の中は「時価時価時価・・」
出てきたラーメンは今まで見たことも食べたこともない一杯。
食べたものが全て余計なエネルギーになる高校生には
ど真ん中のパワフルなラーメン。
ただ正直、その時は衝撃を受けたという記憶はない。
だってその時頭の中は「時価時価時価・・・」
更に友達はそれプラス「早く食べなきゃ・・・」
ということで支配されていたから。
スープを最後の一滴まで飲み干し、
2人で会計に向かう。
このときの足取りはきっと重かったと思う。
そして店員のオバちゃんが値段を口にする。
・・・
・・・
・・・
・・・
「ラーメン普通盛り、450円ね♪」
ええええええええええええええええええええええ!!
メチャクチャ安いじゃん!
その帰路、友達と
「そんなら時価って書くなよな!」
「ふざけんなよな!」
「マジびびって味よく解らなかった!」
「あんまりたいしたことなかったかもな!」
「ドンブリまで油っぽいし」
「あのオバちゃん注文全部覚えてるの凄くない?」
「あのオヤジがさー」
さっきまでの緊張から一転、
顔に言葉の礫をぶつけあうように饒舌な2人。
でも結局、僕達はヨシムラケではなくヨシムラヤに
また行くことになるのである。
それも足繁く。
今回、久しぶりに食べた吉村家。
最初の一口はあれ?こんな味だったっけ?
と思ったが、半分ほど食べた時に
あ、この味!この味!と思える瞬間が来た。
そして15年以上前の初「家系」のことが鮮明に思い出され
ひとりニヤニヤしながらラーメンを食べてしまったのである。
飲食店ってのは美味しいことは勿論なのだが、
潰れないことも非常に大事なのである。
なぜなら、お客の数だけ思い出があるのかもしれないのだから。
そんなことを思った特別な一杯。
吉村家についてはまだ思い出があるのだけど、
それはまたの機会に。
そして最後まで読んでくれた人ありがとう♪
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